====== 43[だろう] ======
===== 基本情報 =====
1.旧JLPT該当級:3\\
2.品詞:助動詞[[用語の説明|【用語の説明】]]\\
3.前接:N(名詞)、V(動詞)/A(形容詞)普通形[[文体|⑩[文体]]](※Aな) \\
4.意味:話し手の推測(根拠があってもなくてもよい)
===== 使い分けが必要な文法・文型 =====
・でしょう[[58でしょう|58[でしょう]]]\\
・と思う[[68と思う|68[と思う]]]\\
・かもしれない[[14かもしれない|14[かもしれない]]]\\
・そうだ【様態】[[34そうだ_様態_①|34[そうだ]①]]
===== 機能 =====
==== 機能1 ★:話し手の推測 ====
=== 機能1用例: ===
例1.あの人は外国人**だろう**。 \\
例2.あの人は日本人じゃない**だろう**。 \\
例3.田中さんはやさいがきらい**だろう**。 \\
例4.きょう、雨がふる**だろう**。
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型: ===
・でしょう\\
・と思う\\
・かもしれない\\
・そうだ【様態】\\
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型の違い: ===
**だろう:**話し手の推量(話し手があることを根拠として予想していること)を言うときに使う。**話し手の予想****が****正しいと話し手が思ってい****る**ときに使う。**「あることが起きる予想」が正しい場合と正しくない場合には使えない**。→例6 \\
普通体の書きことばと、主に男性がていねいではない話しことばで使う。\\
☞**#**:非文(正しくない文・不適切な文)を指す[[用語の説明|【用語の説明】]]\\
例5. 家の前に田中さんの車がある【根拠】。田中さんは家にいる**だろう**【話し手の推量】。 \\
例6.#雨が降るだろうし、降らないだろう。×\\
\\
**でしょう:**話し手の推量(話し手があることを根拠として予想していること)を言うときに使う。**話し手の予想が正しいと話し手が思っ****ている**ときに使う。**「あることが起きる予想」が正しい場合と正しくない場合には使えない**。→例8\\
「だろう」よりていねいな話しことば。\\
☞**#**:非文(正しくない文・不適切な文)を指す[[用語の説明|【用語の説明】]]\\
例7. 家の前に田中さんの車がある【根拠】。田中さんは家にいる**でしょう**【話し手の推量】。 \\
例8.#雨が降るでしょうし、降らないでしょう。×\\
\\
**と思う:**話し手の意見、主観的な考えを言うときに使う。 \\
例9.田中さんは家にいる**と思う**【話し手の主観的な考え】。\\
\\
**かもしれない:**「あることが起きる可能性がある」という話し手の推量を表す。「あることが起きる可能性」は 「だろう/でしょう」より低い。また、**「あることが起きる可能性」が正しい場合も、正しくない場合も使える**。→例11 \\
例10.田中さんは家にいる**かもしれない**【あることの可能性についての話し手の推量】。 \\
例11.雨が**降る****かもしれない**し、**降らないかもしれない**。\\
\\
**そうだ**:話し手が兆候や外観から人・ものの様子やできごとが起こる可能性について判断する(予想する)。\\
「**Vそうだ**」:①話し手の判断・予想→例12、例14\\
②できごとがこれから(すぐ/今にも)起こる可能性【直前】→例13\\
「**Aそうだ**」:外観からの今の様子についての推測→例15、例16\\
例12.きょう、雨が**降りそうだ**。\\
例13.本がたなから(すぐ/今にも)**落ちそうだ**。\\
例14.このパソコンは古いですが、まだ**使えそうです**。\\
例15.このケーキは**おいしそうだ**。\\
例16.田中さんは、**ひまそうだ**。
==== 機能2★: 確認(上昇調のイントネーション↗で用いる) ====
=== 機能2用例: ===
例17.このくだものはおいしい**だろう**。↗
=== 機能2と使い分けが必要な文法・文型: ===
・でしょう
=== 機能2と使い分けが必要な文法・文型の違い: ===
「だろう」と「でしょう」の大きな違いはない。\\
「でしょう」は「だろう」よりていねいな話しことば。\\
また、話しことばでは男性が「だろう」を使うことが多い。
=== 機能2と使い分けが必要な文法・文型の用例: ===
例18.このくだものはおいしい**でしょう**。↗\\
例19.今夜、田中さんのバースデイパーティーに行く**でしょう**。↗
===== コラム➣ =====
➣「だろう」と間違いやすい文型:「はずだ」\\
「はずだ」:根拠(客観的な理由)に基づいた話し手の確信\\
「だろう」:話し手の推測(根拠はない)\\
例)ヤンさんは、もう10年日本語を勉強しているから、日本語が上手なはずだ。→「10年勉強している」=根拠\\
例)ヤンさんは、日本語が上手だろう。→話し手はそう思うだけ
===== 確認問題 =====
1 このドレスの色、{a.きれい b.きれいだ}だろう。\\
2 きのう、山田さんもパーティーに{a.来ました b.来た}だろう。 \\
3 あしたも{a.雨 b.雨だ}だろう。
===== 確認問題の説明 =====
1 cf. 基本情報、前接 \\
2 cf. 基本情報、前接 \\
3 cf. 基本情報、前接