63vてもらう
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63vてもらう [2024/03/01 16:49] – [基本情報] kaken | 63vてもらう [2025/05/07 15:10] (現在) – [コラム] kaken | ||
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行 20: | 行 20: | ||
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・**人称**\\ | ・**人称**\\ | ||
- | 1人称=わたし\\ | + | 1人称(1p.)=わたし\\ |
- | 2人称=あなた\\ | + | 2人称(2p.)=あなた\\ |
- | 3人称=~さん\\ | + | 3人称(3p.)=~さん\\ |
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・**目上と目下**\\ | ・**目上と目下**\\ | ||
目上=話者から見て社会的地位が高い人\\ | 目上=話者から見て社会的地位が高い人\\ | ||
- | 例)先生、社長など\\ | + | 例)先生、社長、お客さんなど\\ |
- | 目下=話者から見て社会的地位が低い人(動物)もしくは同等の地位の人\\ | + | 目下=話者から見て社会的地位が低い人、もしくは同等の地位の人。動植物など\\ |
例)動物、子ども、家族、クラスメートなど\\ | 例)動物、子ども、家族、クラスメートなど\\ | ||
同等=話者と同じ社会的地位の人\\ | 同等=話者と同じ社会的地位の人\\ | ||
\\ | \\ | ||
・**視点/共感**\\ | ・**視点/共感**\\ | ||
- | 話し手の立場がおかれている場所\\ | + | 視点=話し手の立場がおかれている場所\\ |
- | 例)友だちが__**(私の)子ども**__に本を読んでくれた。\\ | + | 例)**__(私の)子ども__**はジョンさんに英語を教えてもらった。\\ |
- | **話し手の立場**\\ | + | ** 話し手の立場・視点**\\ |
\\ | \\ | ||
- | ・**本動詞(単純動詞)と補助動詞(複合動詞)**[[⑧動詞のタイプ|[動詞のタイプ]]]\\ | + | ・**本動詞(単純動詞)と補助動詞(複合動詞)**[[⑧動詞のタイプ|⑧[動詞のタイプ]]]]\\ |
本動詞=動詞が一つ\\ | 本動詞=動詞が一つ\\ | ||
例)本を**< | 例)本を**< | ||
行 44: | 行 44: | ||
==== 機能1★: | ==== 機能1★: | ||
①受け手=わたし(1p.)←与え手=あなた(2p.)\\ | ①受け手=わたし(1p.)←与え手=あなた(2p.)\\ | ||
- | ②受け<color #ff7f27>手</ | + | ②受け手=わたし(1p.)←与え手=~さん(3p.)\\ |
③受け手=あなた(2p.)←与え手=~さん(3p.)\\ | ③受け手=あなた(2p.)←与え手=~さん(3p.)\\ | ||
④受け手=~さん(3p.)←与え手=~さん(3p.)\\ | ④受け手=~さん(3p.)←与え手=~さん(3p.)\\ | ||
=== 機能1用例: === | === 機能1用例: === | ||
- | 例1.20年前に、あなたに買ってもらったゆびわ、今でも大切にしている。→①\\ | + | 例1.20年前に、あなたに**買ってもらった**ゆびわ、今でも大切にしている。→①\\ |
- | 例2.このゆびわは去年の誕生日に主人に買ってもらった。→②\\ | + | 例2.このゆびわは去年の誕生日に主人に**買ってもらった**。→②\\ |
- | 例3.漢字はだれに教えてもらいましたか。→③\\ | + | 例3.漢字はだれに**教えてもらいましたか**。→③\\ |
- | 例4.アンナさんは山田さんに漢字の勉強を手伝ってもらいました。→④\\ | + | 例4.アンナさんは山田さんに漢字の勉強を**手伝ってもらいました**。→④\\ |
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型: === | === 機能1と使い分けが必要な文法・文型: === | ||
・Vてあげる(Vてさしあげる、Vてやる)\\ | ・Vてあげる(Vてさしあげる、Vてやる)\\ | ||
行 60: | 行 60: | ||
**[与え手=主語]が[受け手=非主語]に(/のために)~を~てあげる(さしあげる・やる)**\\ | **[与え手=主語]が[受け手=非主語]に(/のために)~を~てあげる(さしあげる・やる)**\\ | ||
⑤与え手=わたし(1p.)→受け手=あなた(2p.)\\ | ⑤与え手=わたし(1p.)→受け手=あなた(2p.)\\ | ||
- | ⑥与え<color #ff7f27>手</ | + | ⑥与え手=わたし(1p.)→受け手=~さん(3p.)\\ |
- | ⑦与え<color #ff7f27>手</ | + | ⑦与え手=あなた(2p.)→受け手=~さん(3p.)\\ |
- | ⑧与え<color #ff7f27>手</ | + | ⑧与え手=~さん(3p.)→受け手=~さん(3p.) \\ |
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**Vてくれる(Vてくださる): | **Vてくれる(Vてくださる): | ||
- | **[与え手=主語]が[わたし/わたしと同じグループの人=非主語]に(/のために)~を~てくれる(くださる)**\\ | + | **[与え手=主語]が[わたし/わたしと同じグループの人=非主語(受け手)]に(/のために)~を~てくれる(くださる)**\\ |
⑨与え手=あなた(2p.)→受け手=わたし(1p.)/わたしと同じ社会的グループの人(3p.)\\ | ⑨与え手=あなた(2p.)→受け手=わたし(1p.)/わたしと同じ社会的グループの人(3p.)\\ | ||
- | ⑩与え<color #ff7f27>手</ | + | ⑩与え手=~さん(3p.)→受け手=わたし(1p.)/わたしと同じ社会的グループの人(3p.)\\ |
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**V(ら)れる【受け身】:**\\ | **V(ら)れる【受け身】:**\\ | ||
行 74: | 行 74: | ||
⑫V(ら)れる→多くの場合、相手の行為から被害、迷惑を受ける\\ | ⑫V(ら)れる→多くの場合、相手の行為から被害、迷惑を受ける\\ | ||
=== 機能1と使い分けが必要な文法・文型の用例: === | === 機能1と使い分けが必要な文法・文型の用例: === | ||
- | 例5.(わたしは)(あなたに)料理を手伝ってあげるよ。→⑤\\ | + | 例5.(わたしは)(あなたに)料理を**手伝ってあげる**よ。→⑤\\ |
- | 例6.(わたしは)田中さんに英語を教えてあげた。→⑥\\ | + | 例6.(わたしは)田中さんに英語を**教えてあげた**。→⑥\\ |
- | 例7.(あなたは)山田さんに誕生日に何を買ってあげますか。→⑦\\ | + | 例7.(あなたは)山田さんに誕生日に何を**買ってあげますか**。→⑦\\ |
- | 例8. 山本さんは奥さんに誕生日にネックレスを買ってあげた。→⑧\\ | + | 例8. 山本さんは奥さんに誕生日にネックレスを**買ってあげた**。→⑧\\ |
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- | 例9.ペン、貸してくれる?→⑨\\ | + | 例9.ペン、**貸してくれる**?→⑨\\ |
- | 例10.誕生日に母がネックレスを買ってくれた。→⑩\\ | + | 例10.誕生日に母がネックレスを**買ってくれた**。→⑩\\ |
- | 例11.ジョンさんが(私の)娘に英語を教えてくれた。→⑩\\ | + | 例11.ジョンさんが(私の)娘に英語を**教えてくれた**。→⑩\\ |
- | 例12.夫が私のために旅行を計画してくれた。→⑩\\ | + | 例12.夫が私のために旅行を**計画してくれた**。→⑩\\ |
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- | 例13.田中さんにレポートを見てもらった。→⑪【恩恵】\\ | + | 例13.田中さんにレポートを**見てもらった**。→⑪【恩恵】\\ |
- | 例14.田中さんにレポートを見られた→⑫【被害、迷惑】\\ | + | 例14.田中さんにレポートを**見られた**→⑫【被害、迷惑】\\ |
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しかし、「Vてもらう」も「V(ら)れる」も、【恩恵】を表すこともある。\\ | しかし、「Vてもらう」も「V(ら)れる」も、【恩恵】を表すこともある。\\ | ||
- | 例15.よう子ちゃんは、小さいころ、みんなにかわいがってもらっ< | + | 例15.よう子ちゃんは、小さいころ、みんなに**かわいがってもらった**。\\ |
- | 例16.よう子ちゃんは、小さいころ、みんなにかわいがられ< | + | 例16.よう子ちゃんは、小さいころ、みんなに**かわいがられた**。\\ |
===== コラム ===== | ===== コラム ===== | ||
行 96: | 行 96: | ||
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➣**省略**\\ | ➣**省略**\\ | ||
- | 「あなた」ということばは使わない。\\ | + | 「あなた」ということばは使わない。→cf.例3,例7、例9\\ |
- | 「わたし」ということばはよく省略される。\\ | + | 「わたし」ということばはよく省略される。→cf.例1,例2,例5、例6、例9、例10、例13、例14\\ |
+ | \\ | ||
+ | ➣「**Vてもらいたい**」と「**Vてほしい**」\\ | ||
+ | **Vてほしい**:行為を望んでいる相手がいてもいなくてもいい \\ | ||
+ | 例)**親に**新しいけいたい電話を買ってほしい。\\ | ||
+ | 例)もう暖かくなってほしい。\\ | ||
+ | **Vてもらいたい**:行為を望んでいる相手がいる\\ | ||
+ | ☞**#**:非文(正しくない文・不適切な文)を指す[[用語の説明|【用語の説明】]]\\ | ||
+ | 例) **親に**新しいけいたい電話を買ってもらいたい。\\ | ||
+ | 例)#暖かくなってもらいたい。×\\ | ||
===== 確認問題 ===== | ===== 確認問題 ===== | ||
- | 1 先生にレポートをほめて{a.さしあげた | + | 1 先生にレポートをほめて{a.さしあげた |
2 母{a.に b.が}おべんとうを作ってもらった。\\ | 2 母{a.に b.が}おべんとうを作ってもらった。\\ | ||
3 漢字の読みかたがわからなかったので、友だち{a.が b.に}教えてもらった。\\ | 3 漢字の読みかたがわからなかったので、友だち{a.が b.に}教えてもらった。\\ |
63vてもらう.1709279350.txt.gz · 最終更新: 2024/03/01 16:49 by kaken