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初級日本語文法の総まとめ

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63vてもらう

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63vてもらう [2024/02/29 18:17] kaken63vてもらう [2025/05/07 15:10] (現在) – [コラム] kaken
行 3: 行 3:
 ===== 基本情報 ===== ===== 基本情報 =====
 旧JLPT該当級:3\\ 旧JLPT該当級:3\\
-品詞: 複合動詞[[⑧動詞のタイプ|[動詞のタイプ]]][[用語の説明|【用語の説明】]]\\ +品詞: 複合動詞[[⑧動詞のタイプ|[動詞のタイプ]]][[用語の説明|【用語の説明】]]\\ 
-前接: V**て**形\\ +前接: V(動詞)**て**形[[⑥動詞活用|⑥[動詞活用] ]]\\ 
-意味: 授受、恩恵\\+意味: 授受、恩恵 cf.[[108もらう|108[もらう](いただく)]]\\
 ===== 使い分けが必要な文法・文型 =====  ===== 使い分けが必要な文法・文型 ===== 
 ・Vてあげる(Vてさしあげる、Vてやる)[[48vてあげる|48[Vてあげる](Vてさしあげる、Vてやる)]]\\ ・Vてあげる(Vてさしあげる、Vてやる)[[48vてあげる|48[Vてあげる](Vてさしあげる、Vてやる)]]\\
行 20: 行 20:
 \\ \\
 ・**人称**\\ ・**人称**\\
- 1人称=わたし\\ + 1人称(1p.)=わたし\\ 
- 2人称=あなた\\ + 2人称(2p.)=あなた\\ 
- 3人称=~さん\\+ 3人称(3p.)=~さん\\
 \\ \\
 ・**目上と目下**\\ ・**目上と目下**\\
  目上=話者から見て社会的地位が高い人\\  目上=話者から見て社会的地位が高い人\\
-    例)先生、社長など\\ +    例)先生、社長、お客さんなど\\ 
- 目下=話者から見て社会的地位が低い人(動物)もしくは同等の地位の人\\+ 目下=話者から見て社会的地位が低い人もしくは同等の地位の人。動植物など\\
     例)動物、子ども、家族、クラスメートなど\\     例)動物、子ども、家族、クラスメートなど\\
  同等=話者と同じ社会的地位の人\\  同等=話者と同じ社会的地位の人\\
 \\ \\
 ・**視点/共感**\\ ・**視点/共感**\\
- 話し手の立場がおかれている場所\\ + 視点=話し手の立場がおかれている場所\\ 
-    例)友だちが__**(私の)子ども**__読んでくれた。\\ +    例)**__(私の)子ども__**はジョンさん英語教えてもらった。\\ 
-           **話し手の立場**\\+     ** 話し手の立場・視点**\\  
 \\ \\
-・**本動詞(単純動詞)と補助動詞(複合動詞)**[[⑧動詞のタイプ|[動詞のタイプ]]]\\+・**本動詞(単純動詞)と補助動詞(複合動詞)**[[⑧動詞のタイプ|[動詞のタイプ]]]]\\
  本動詞=動詞が一つ\\  本動詞=動詞が一つ\\
     例)本を**<color #ed1c24>もらう</color>**\\     例)本を**<color #ed1c24>もらう</color>**\\
行 44: 行 44:
 ==== 機能1★: [受け手=主語]が[与え手=非主語]に~を~てもらう(いただく) ==== ==== 機能1★: [受け手=主語]が[与え手=非主語]に~を~てもらう(いただく) ====
 ①受け手=わたし(1p.)←与え手=あなた(2p.)\\ ①受け手=わたし(1p.)←与え手=あなた(2p.)\\
-②受け<color #ff7f27></color>=わたし(1p.)←与え手=~さん(3p.)\\+②受け手=わたし(1p.)←与え手=~さん(3p.)\\
 ③受け手=あなた(2p.)←与え手=~さん(3p.)\\ ③受け手=あなた(2p.)←与え手=~さん(3p.)\\
 ④受け手=~さん(3p.)←与え手=~さん(3p.)\\ ④受け手=~さん(3p.)←与え手=~さん(3p.)\\
 === 機能1用例: === === 機能1用例: ===
-例1.20年前に、あなたに買ってもらったゆびわ、今でも大切にしている。→①\\ +例1.20年前に、あなたに**買ってもらった**ゆびわ、今でも大切にしている。→①\\ 
-例2.このゆびわは去年の誕生日に主人に買ってもらった。→②\\ +例2.このゆびわは去年の誕生日に主人に**買ってもらった**。→②\\ 
-例3.漢字はだれに教えてもらいましたか。→③\\ +例3.漢字はだれに**教えてもらいましたか**。→③\\ 
-例4.アンナさんは山田さんに漢字の勉強を手伝ってもらいました。→④\\+例4.アンナさんは山田さんに漢字の勉強を**手伝ってもらいました**。→④\\
 === 機能1と使い分けが必要な文法・文型: === === 機能1と使い分けが必要な文法・文型: ===
 ・Vてあげる(Vてさしあげる、Vてやる)\\ ・Vてあげる(Vてさしあげる、Vてやる)\\
行 60: 行 60:
 **[与え手=主語]が[受け手=非主語]に(/のために)~を~てあげる(さしあげる・やる)**\\ **[与え手=主語]が[受け手=非主語]に(/のために)~を~てあげる(さしあげる・やる)**\\
 ⑤与え手=わたし(1p.)→受け手=あなた(2p.)\\ ⑤与え手=わたし(1p.)→受け手=あなた(2p.)\\
-⑥与え<color #ff7f27></color>=わたし(1p.)→受け手=~さん(3p.)\\ +⑥与え手=わたし(1p.)→受け手=~さん(3p.)\\ 
-⑦与え<color #ff7f27></color>=あなた(2p.)→受け手=~さん(3p.)\\ +⑦与え手=あなた(2p.)→受け手=~さん(3p.)\\ 
-⑧与え<color #ff7f27></color>=~さん(3p.)→受け手=~さん(3p.) \\+⑧与え手=~さん(3p.)→受け手=~さん(3p.) \\
 \\ \\
 **Vてくれる(Vてくださる):** \\ **Vてくれる(Vてくださる):** \\
-**[与え手=主語]が[わたし/わたしと同じグループの人=非主語]に(/のために)~を~てくれる(くださる)**\\+**[与え手=主語]が[わたし/わたしと同じグループの人=非主語(受け手)]に(/のために)~を~てくれる(くださる)**\\
 ⑨与え手=あなた(2p.)→受け手=わたし(1p.)/わたしと同じ社会的グループの人(3p.)\\ ⑨与え手=あなた(2p.)→受け手=わたし(1p.)/わたしと同じ社会的グループの人(3p.)\\
-⑩与え<color #ff7f27></color>=~さん(3p.)→受け手=わたし(1p.)/わたしと同じ社会的グループの人(3p.)\\+⑩与え手=~さん(3p.)→受け手=わたし(1p.)/わたしと同じ社会的グループの人(3p.)\\
 \\ \\
 **V(ら)れる【受け身】:**\\ **V(ら)れる【受け身】:**\\
行 74: 行 74:
 ⑫V(ら)れる→多くの場合、相手の行為から被害、迷惑を受ける\\ ⑫V(ら)れる→多くの場合、相手の行為から被害、迷惑を受ける\\
 === 機能1と使い分けが必要な文法・文型の用例: === === 機能1と使い分けが必要な文法・文型の用例: ===
-例5.(わたしは)(あなたに)料理を手伝ってあげるよ。→⑤\\ +例5.(わたしは)(あなたに)料理を**手伝ってあげる**よ。→⑤\\ 
-例6.(わたしは)田中さんに英語を教えてあげた。→⑥\\ +例6.(わたしは)田中さんに英語を**教えてあげた**。→⑥\\ 
-例7.(あなたは)山田さんに誕生日に何を買ってあげますか。→⑦\\ +例7.(あなたは)山田さんに誕生日に何を**買ってあげますか**。→⑦\\ 
-例8. 山本さんは奥さんに誕生日にネックレスを買ってあげた。→⑧\\+例8. 山本さんは奥さんに誕生日にネックレスを**買ってあげた**。→⑧\\
 \\ \\
-例9.ペン、貸してくれる?→⑨\\ +例9.ペン、**貸してくれる**?→⑨\\ 
-例10.誕生日に母がネックレスを買ってくれた。→⑩\\ +例10.誕生日に母がネックレスを**買ってくれた**。→⑩\\ 
-例11.ジョンさんが(私の)娘に英語を教えてくれた。→⑩\\ +例11.ジョンさんが(私の)娘に英語を**教えてくれた**。→⑩\\ 
-例12.夫が私のために旅行を計画してくれた。→⑩\\+例12.夫が私のために旅行を**計画してくれた**。→⑩\\
 \\ \\
-例13.田中さんにレポートを見てもらった。→⑪【恩恵】\\ +例13.田中さんにレポートを**見てもらった**。→⑪【恩恵】\\ 
-例14.田中さんにレポートを見られた→⑫【被害、迷惑】\\+例14.田中さんにレポートを**見られた**→⑫【被害、迷惑】\\
 \\ \\
 しかし、「Vてもらう」も「V(ら)れる」も、【恩恵】を表すこともある。\\ しかし、「Vてもらう」も「V(ら)れる」も、【恩恵】を表すこともある。\\
-例15.よう子ちゃんは、小さいころ、みんなにかわいがってもらっ<color #ff7f27>てい</color>た<color #ff7f27>かわいがってもらった</color>。\\ +例15.よう子ちゃんは、小さいころ、みんなに**かわいがってもらった**。\\ 
-例16.よう子ちゃんは、小さいころ、みんなにかわいがられ<color #ff7f27>てい</color>た<color #ff7f27>かわいがられた</color>。\\+例16.よう子ちゃんは、小さいころ、みんなに**かわいがられた**。\\
  
 ===== コラム ===== ===== コラム =====
行 96: 行 96:
 \\ \\
 ➣**省略**\\ ➣**省略**\\
-「あなた」ということばは使わない。\\ +「あなた」ということばは使わない。→cf.例3,例7、例9\\ 
-「わたし」ということばはよく省略される。\\+「わたし」ということばはよく省略される。→cf.例1,例2,例5、例6、例9、例10、例13、例14\\ 
 +\\ 
 +➣「**Vてもらいたい**」と「**Vてほしい**」\\ 
 +**Vてほしい**:行為を望んでいる相手がいてもいなくてもいい \\ 
 +例)**親に**新しいけいたい電話を買ってほしい。\\ 
 +例)もう暖かくなってほしい。\\ 
 +**Vてもらいたい**:行為を望んでいる相手がいる\\ 
 +☞**#**:非文(正しくない文・不適切な文)を指す[[用語の説明|【用語の説明】]]\\ 
 +例) **親に**新しいけいたい電話を買ってもらいたい。\\ 
 +例)#暖かくなってもらいたい。×\\
 ===== 確認問題 =====  ===== 確認問題 ===== 
-1 先生にレポートをほめて{a.さしあげた  b.いただいた}。\\+1 先生にレポートをほめて{a.さしあげた   b.いただいた}。\\
 2 母{a.に b.が}おべんとうを作ってもらった。\\ 2 母{a.に b.が}おべんとうを作ってもらった。\\
 3 漢字の読みかたがわからなかったので、友だち{a.が b.に}教えてもらった。\\ 3 漢字の読みかたがわからなかったので、友だち{a.が b.に}教えてもらった。\\
63vてもらう.1709198258.txt.gz · 最終更新: 2024/02/29 18:17 by kaken

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