56vてくれる
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56vてくれる [2024/02/29 18:07] – [56[Vてくれる](Vてくださる)] kaken | 56vてくれる [2025/05/07 15:07] (現在) – [コラム] kaken | ||
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行 21: | 行 21: | ||
・**人称**\\ | ・**人称**\\ | ||
- | 1人称=わたし\\ | + | 1人称(1p.)=わたし\\ |
- | 2人称=あなた\\ | + | 2人称(2p.)=あなた\\ |
- | 3人称=~さん\\ | + | 3人称(3p.)=~さん\\ |
・**目上と目下**\\ | ・**目上と目下**\\ | ||
行 34: | 行 34: | ||
・**視点/共感**\\ | ・**視点/共感**\\ | ||
視点=話し手の立場がおかれている場所\\ | 視点=話し手の立場がおかれている場所\\ | ||
- | 例)友だちが**__(私の)子ども__**に本をくれた。\\ | + | 例)友だちが**__(私の)子ども__**に本を買ってくれた。\\ |
** 話し手の立場・視点** | ** 話し手の立場・視点** | ||
行 44: | 行 44: | ||
===== 機能 ===== | ===== 機能 ===== | ||
- | ==== 機能1★:[与え手=主語]が[わたし/わたしと同じグループの人=非主語]に(/のために)~を~てくれる(くださる) ==== | + | ==== 機能1★:[与え手=主語]が[わたし/わたしと同じグループの人=非主語(受け手)]に(/のために)~を~てくれる(くださる) ==== |
①与え手=あなた(2p.)→受け手=わたし(1p.)/わたしと同じグループの人(3p.)\\ | ①与え手=あなた(2p.)→受け手=わたし(1p.)/わたしと同じグループの人(3p.)\\ | ||
②与え手=~さん(3p.)→受け手=わたし(1p.)/わたしと同じグループの人(3p.)\\ | ②与え手=~さん(3p.)→受け手=わたし(1p.)/わたしと同じグループの人(3p.)\\ | ||
- | ==== 機能1用例: | + | === 機能1用例: === |
- | 例1.ペン、貸してくれる?→①\\ | + | 例1.ペン、**貸してくれる**?→①\\ |
- | 例2.誕生日に母がネックレスを買ってくれた。→②\\ | + | 例2.誕生日に母がネックレスを**買ってくれた**。→②\\ |
- | 例3.ジョンさんが(私の)娘に英語を教えてくれた。→②\\ | + | 例3.ジョンさんが(私の)娘に英語を**教えてくれた**。→②\\ |
- | 例4.夫が私のために旅行を計画してくれた。→②\\ | + | 例4.夫がわたしのために旅行を**計画してくれた**。→②\\ |
- | ==== 機能1と使い分けが必要な文法・文型: | + | === 機能1と使い分けが必要な文法・文型: === |
・Vてあげる(Vさしあげる、Vてやる)\\ | ・Vてあげる(Vさしあげる、Vてやる)\\ | ||
・Vてもらう(Vていただく)\\ | ・Vてもらう(Vていただく)\\ | ||
- | ==== 機能1と使い分けが必要な文法・文型の違い: | + | === 機能1と使い分けが必要な文法・文型の違い: === |
**Vてあげる(Vてさしあげる、Vてやる): | **Vてあげる(Vてさしあげる、Vてやる): | ||
**[与え手=主語]が[受け手=非主語]に(/のために)~を~てあげる(さしあげる・やる)**\\ | **[与え手=主語]が[受け手=非主語]に(/のために)~を~てあげる(さしあげる・やる)**\\ | ||
行 69: | 行 69: | ||
⑨受け手=あなた(2p.)←与え手=~さん(3p.)\\ | ⑨受け手=あなた(2p.)←与え手=~さん(3p.)\\ | ||
⑩受け手=~さん(3p.)←与え手=~さん(3p.)\\ | ⑩受け手=~さん(3p.)←与え手=~さん(3p.)\\ | ||
- | ==== 機能1と使い分けが必要な文法・文型の用例: | + | === 機能1と使い分けが必要な文法・文型の用例: === |
- | 例5.(わたしは)(あなたに)料理を手伝ってあげるよ。→③\\ | + | 例5.(わたしは)(あなたに)料理を**手伝ってあげる**よ。→③\\ |
- | 例6.(わたしは)田中さんに英語を教えてあげた。→④\\ | + | 例6.(わたしは)田中さんに英語を**教えてあげた**。→④\\ |
- | 例7.(あなたは)山田さんに誕生日に何を買ってあげますか。→⑤\\ | + | 例7.(あなたは)山田さんに誕生日に何を**買ってあげますか**。→⑤\\ |
- | 例8. 山本さんは奥さんに誕生日にネックレスを買ってあげた。→⑥\\ | + | 例8. 山本さんは奥さんに誕生日にネックレスを**買ってあげた**。→⑥\\ |
\\ | \\ | ||
- | 例9.20年前に、あなたに買ってもらったゆびわ、今でも大切にしている。→⑦\\ | + | 例9.20年前に、あなたに**買ってもらった**ゆびわ、今でも大切にしている。→⑦\\ |
- | 例10.このゆびわは去年の誕生日に主人に買ってもらった。→⑧\\ | + | 例10.このゆびわは去年の誕生日に主人に**買ってもらった**。→⑧\\ |
- | 例11.漢字はだれに教えてもらいましたか。→⑨\\ | + | 例11.漢字はだれに**教えてもらいましたか**。→⑨\\ |
- | 例12.アンナさんは山田さんに漢字の勉強を手伝ってもらいました。→⑩\\ | + | 例12.アンナさんは山田さんに漢字の勉強を**手伝ってもらいました**。→⑩\\ |
===== コラム ===== | ===== コラム ===== | ||
- | ・**Vてくださる: | + | ➣**Vてくださる: |
例)先生が本をプレゼントしてくださいました。\\ | 例)先生が本をプレゼントしてくださいました。\\ | ||
例)ジョンさんが(わたしの)こどもに英語を教えてくださいました。\\ | 例)ジョンさんが(わたしの)こどもに英語を教えてくださいました。\\ | ||
- | ・**省略**\\ | + | ➣**省略**\\ |
- | 「あなた」ということばは使わない。\\ | + | 「あなた」ということばは使わない。→cf.例1、例5,例7、例11\\ |
- | 「わたし」ということばはよく省略される。\\ | + | 「わたし」ということばはよく省略される。→cf.例1、例2、例5、例6、例9、例10\\ |
+ | |||
+ | ➣**動作の方向性**\\ | ||
+ | 「くれる」の使用は恩恵だけでなく、**動作の方向性を明確にする**ために重要である。\\ | ||
+ | 「くれる」を使わないと、動作がだれのために行われるかが不明となる。\\ | ||
+ | 例)友だちがペンを貸した。→だれにペンを貸したかが不明である。\\ | ||
+ | 例)友だちがペンを貸してくれた。→「「わたし」にペンを貸した」が明確である。\\ | ||
===== 確認問題 ===== | ===== 確認問題 ===== | ||
行 94: | 行 100: | ||
===== 確認問題の説明 ===== | ===== 確認問題の説明 ===== | ||
- | 1 cf.機能1\\ | + | 1 cf.機能1、コラム\\ |
2 cf.機能1\\ | 2 cf.機能1\\ | ||
3 cf.機能1\\ | 3 cf.機能1\\ | ||
56vてくれる.1709197672.txt.gz · 最終更新: 2024/02/29 18:07 by kaken