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34そうだ_様態_①

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34そうだ_様態_① [2024/02/16 17:18] – [コラム] kaken34そうだ_様態_① [2025/05/02 14:18] (現在) kaken
行 1: 行 1:
-====== 34[そうだ]① ======+====== 34[そうだ](様態)① ======
 ===== 基本情報 ===== ===== 基本情報 =====
 旧JLPT該当級:3\\ 旧JLPT該当級:3\\
 品詞: 助動詞[[用語の説明|【用語の説明】]]\\ 品詞: 助動詞[[用語の説明|【用語の説明】]]\\
-前接: V(動詞)連用形(<del>ます</del>形)[[⑥動詞活用|[動詞活用] ]]、A(形容詞)(※<del>い</del>、<del>な</del>)\\+前接: V(動詞)連用形(<del>ます</del>形)[[⑥動詞活用|[動詞活用] ]]、A(形容詞)(※A<del>い</del>A<del>な</del>[[用語の説明|【用語の説明】]]\\
 意味:様態 意味:様態
 ===== 使い分けが必要な文法・文型 ===== ===== 使い分けが必要な文法・文型 =====
行 17: 行 17:
 **「Aそうだ」:外観からの今の様子についての推測**→例4,例5 **「Aそうだ」:外観からの今の様子についての推測**→例4,例5
 === 機能1用例: === === 機能1用例: ===
-例1.きょう、雨が降りそうだ。\\ +例1.きょう、雨が**降りそうだ**。\\ 
-例2.本がたなから(すぐ/今にも)落ちそうだ。\\ +例2.本がたなから(すぐ/今にも)**落ちそうだ**。\\ 
-例3.このパソコンは古いですが、まだ使えそうです。\\ +例3.このパソコンは古いですが、まだ**使えそうです**。\\ 
-例4.このケーキはおいしそうだ。\\ +例4.このケーキは**おいしそうだ**。\\ 
-例5.田中さんは、ひまそうだ。+例5.田中さんは、**ひまそうだ**
 === 機能1と使い分けが必要な文法・文型: === === 機能1と使い分けが必要な文法・文型: ===
 ・そうだ(伝聞)\\ ・そうだ(伝聞)\\
行 28: 行 28:
 ・だろう/でしょう                                             ・だろう/でしょう                                            
 === 機能1と使い分けが必要な文法・文型の用例: === === 機能1と使い分けが必要な文法・文型の用例: ===
-例6.きょう、雨が降るそうだ。\\ +例6.きょう、雨が**降るそうだ**。\\ 
-例7.今年は、雪が少ないそうだ。\\ +例7.今年は、雪が**少ないそうだ**。\\ 
-例8.田中さんは、今週末、ひまだそうだ。\\ +例8.田中さんは、今週末、**ひまだそうだ**。\\ 
-例9.山田さんのとなりにいるのは山田さんの弟だそうだ。\\ +例9.山田さんのとなりにいるのは山田さんの**弟だそうだ**。\\ 
-例10.きのう、北海道で地震があったらしい。\\ +例10.きのう、北海道で地震が**あったらしい**。\\ 
-例11.今年は、雪が少ないらしい。\\ +例11.今年は、雪が**少ないらしい**。\\ 
-例12.田中さんは、今週末、ひまらしい。\\ +例12.田中さんは、今週末、**ひまらしい**。\\ 
-例13.山田さんのとなりにいる人は山田さんの弟らしい。\\ +例13.山田さんのとなりにいる人は山田さんの**弟らしい**。\\ 
-例14.きょう、雨が降るようだ。\\ +例14.きょう、雨が**降るようだ**。\\ 
-例15.部屋の電気がついていないので、山田さんはまだ帰っていないようだ。\\ +例15.部屋の電気がついていないので、山田さんはまだ**帰っていないようだ**。\\ 
-例16.子どもがケーキをおいしそうに食べている。そのケーキはおいしいようだ。\\ +例16.子どもがケーキをおいしそうに食べている。そのケーキは**おいしいようだ**。\\ 
-例17.山田さんはお酒が好きなようだ。\\ +例17.山田さんはお酒が**好きなようだ**。\\ 
-例18.あの人は日本語がわからない。外国人のようだ。\\ +例18.あの人は日本語がわからない。**外国人のようだ**。\\ 
-例19.きょう、雨がふるだろう(/でしょう)。\\ +例19.きょう、雨が**ふるだろう(/でしょう)**。\\ 
-例20.あの人は日本人じゃないだろう(/でしょう)。+例20.あの人は**日本人じゃないだろう(/でしょう)**
 === 機能1用法1と使い分けが必要な文法・文型の違い: === === 機能1用法1と使い分けが必要な文法・文型の違い: ===
 **そうだ【様態】**:①話し手が兆候や外観から判断する・予想することを伝えるのに使う。\\ **そうだ【様態】**:①話し手が兆候や外観から判断する・予想することを伝えるのに使う。\\
-        ②できごとがこれから(すぐ/今にも)起こる可能性【直前】\\ +        ②できごとがこれから(すぐ/今にも)起こる可能性【直前】\\ 
 **そうだ【伝聞】**:話し手が他の人から聞いたり、本で読んだりした情報(客観的な根拠)を伝えるのに使う。話すときに使う。\\ **そうだ【伝聞】**:話し手が他の人から聞いたり、本で読んだりした情報(客観的な根拠)を伝えるのに使う。話すときに使う。\\
-**らしい:「そうだ」(伝聞)**と**「ようだ」**の中間。 **「そうだ」(伝聞)**より**「伝聞」**のニュアンスが弱い。\\+**らしい**①**「そうだ」(伝聞)**と**「ようだ」**の中間。 **「そうだ」(伝聞)**より**「伝聞」**のニュアンスが弱い。\\
      話し手が他の人から聞いたり、本で読んだりした情報(客観的な根拠)に自分の判断を加えて情報を伝えるのに使う。\\      話し手が他の人から聞いたり、本で読んだりした情報(客観的な根拠)に自分の判断を加えて情報を伝えるのに使う。\\
-※無責任なニュアンスを帯びやすいので、責任を持って、判断を述べなければならない場合には不適切である。(『初級教えるため日本文法ハンドブック』p.132)\\ +     ※無責任なニュアンスを帯びやすいので、責任を持って、判断を述べなければならない場合には不適切である。\\ 
-例)【医者が患者に】#胃が弱っているらしいです。薬を飲んでください。\\ +     ☞**#**:非文正しくない文・不適切な文)指す[[用語説明|【用の説明】]]\\ 
-例)【医者が患者に】 胃が弱っているようです。薬を飲んでください。\\+      例)【医者が患者に】#かぜらしいです。薬を飲んでください。×\\ 
 +      例)【医者が患者に】 かぜのようです。薬を飲んでください。\\ 
 +    ②(Nらしい)そのものの典型的な性質をもっている【比況】\\ 
 +       例)子どもらしい子ども\\
 **ようだ**:①根拠に基づく話し手の判断・推量を表すのに使う。【判断/推量】\\ **ようだ**:①根拠に基づく話し手の判断・推量を表すのに使う。【判断/推量】\\
-    ②他のものに例えるときに使う。【比況】\\+    ②(Nのようだ)他のものに例えるときに使う。【比況】\\ 
 +     例)あの子は人形のようだ。\\
 **だろう(でしょう)**:話し手が予想していることを伝えるのに使う。根拠があってもなくてもよい。\\ **だろう(でしょう)**:話し手が予想していることを伝えるのに使う。根拠があってもなくてもよい。\\
 \\ \\
 ※**<color #ed1c24>「そうだ」(様態)</color>**と**<color #ed1c24>「ようだ」</color>**の違い\\ ※**<color #ed1c24>「そうだ」(様態)</color>**と**<color #ed1c24>「ようだ」</color>**の違い\\
-【前接】\\ +【前接】\\ 
-**そうだ**:V連用形(<del>ます</del>形)[[⑥動詞活用|[動詞活用] ]]、A(<del>い</del>、<del>な</del>)(Nとは使えない;過去形には接続しない)\\ +**そうだ**:V連用形(<del>ます</del>形)[[⑥動詞活用|[動詞活用] ]]、A(<del>い</del>、<del>な</del>)(Nとは使えない;過去形には接続しない)\\ 
-**ようだ**:V普通体/A普通体/N(の/普通体)[[文体|[文体]]]\\+**ようだ**:V普通体/A普通体/N(の/普通体)[[文体|[文体]]]\\
 \\ \\
-【意味】\\+【意味】\\
 **「そうだ」**\\ **「そうだ」**\\
  **Vそうだ**  :①話し手の判断・予想\\  **Vそうだ**  :①話し手の判断・予想\\
行 76: 行 80:
 例)【部屋は静かだ(根拠)】子どもは寝ているようだ。/#子どもは寝ていそうだ。\\ 例)【部屋は静かだ(根拠)】子どもは寝ているようだ。/#子どもは寝ていそうだ。\\
 例) 本がたなから(いつかわからないけど、これから)落ちるようだ。/本がたなから(もうすぐ)落ちそうだ。\\ 例) 本がたなから(いつかわからないけど、これから)落ちるようだ。/本がたなから(もうすぐ)落ちそうだ。\\
-例)【根拠】電気がついている。山田さんはいるようだ。/#山田さんはいそうだ。\\+例)電気がついている【根拠】。山田さんはいるようだ。/#山田さんはいそうだ。\\
 \\ \\
 ※**<color #ed1c24>「そうだ」(様態)</color>**と**<color #ed1c24>「だろう」</color>**の違い\\ ※**<color #ed1c24>「そうだ」(様態)</color>**と**<color #ed1c24>「だろう」</color>**の違い\\
-【前接】\\ +【前接】\\ 
-**そうだ**:V連用形(<del>ます</del>形)[[⑥動詞活用|[動詞活用] ]]、A(<del>い</del>、<del>な</del>)(Nとは使えない;過去形には接続しない)\\ +**そうだ**:V連用形(<del>ます</del>形)[[⑥動詞活用|[動詞活用] ]]、A(<del>い</del>、<del>な</del>)(Nとは使えない;過去形には接続しない)\\ 
-**だろう**:V普通体/A普通体/N[[文体|[文体]]]\\+**だろう**:V普通体/A普通体/N[[文体|[文体]]]\\
 \\ \\
-【意味】\\+【意味】\\
 **「そうだ」**\\ **「そうだ」**\\
  **Vそうだ**  :①話し手の判断・予想\\  **Vそうだ**  :①話し手の判断・予想\\
行 95: 行 99:
 例)【空の様子から(根拠/外観)】きょうは雨が降りそうだ。\\ 例)【空の様子から(根拠/外観)】きょうは雨が降りそうだ。\\
 例)【そう思うだけ】きょうは雨が降るだろう(でしょう)。\\ 例)【そう思うだけ】きょうは雨が降るだろう(でしょう)。\\
 +\\ 
 +➣後続:N(名詞)/V(動詞)に接続できる\\ 
 +**「そう」**(様態)\\ 
 +・~**そうな**__N__\\ 
 +例)おいし**そうな**__ケーキ__\\ 
 +・~**そうに**__V__\\ 
 +例)おいし**そうに**__食べる__\\ 
 +\\ 
 +**「そう」**(伝聞)後続はない。\\ 
 +\\ 
 +**「ようだ」**\\ 
 +・~**ような**__N__\\ 
 +例)人形の**ような**__赤ちゃん__\\ 
 +・~**ように**__V__\\ 
 +例)ロボットの**ように**__動く__\\ 
 +\\ 
 +**「らしい」**\\ 
 +・~**らしい**__N__\\ 
 +例)子ども**らしい**__子ども__\\ 
 +・~**らしく**__V__\\ 
 +例)子ども**らしく**__遊ぶ__\\ 
 +\\ 
 +**「だろう」**後続はない。\\ 
 +※ただ、「**であろう**」なら、後続は可能だ。\\ 
 +例)将来、結婚する**であろう**__人__\\ 
 +\\
                    **まとめ**                        **まとめ**    
 ^  ^  前接  ^^  後続  ^  意味  ^^^^ ^  ^  前接  ^^  後続  ^  意味  ^^^^
行 110: 行 139:
 きょうは、**雨が降るだろう**。←推測/推量(根拠がなくてもよい)【推測/そう思うだけ】 きょうは、**雨が降るだろう**。←推測/推量(根拠がなくてもよい)【推測/そう思うだけ】
 ===== コラム ===== ===== コラム =====
-➣後続:N(名詞)/V(動詞)に接続できる\\ 
-・~**そうな**__N__\\ 
-例)おいし**そうな**__ケーキ__\\ 
-・~**そうに**__V__\\ 
-例)おいし**そうに**__食べる__\\ 
-\\ 
 ➣否定形\\ ➣否定形\\
 ・**(V/A)なさそうだ**:できごと/様子を否定する\\ ・**(V/A)なさそうだ**:できごと/様子を否定する\\
 例)この料理はおいしくなさそうだ。\\ 例)この料理はおいしくなさそうだ。\\
 例)きょうは雨が降らなさそうだ。\\ 例)きょうは雨が降らなさそうだ。\\
-\\ 
 ・**Vそうに(Vそうも)ない**:できごとが起こる可能性が非常に低い(ほぼない)\\ ・**Vそうに(Vそうも)ない**:できごとが起こる可能性が非常に低い(ほぼない)\\
 例)きょうは雨が降りそうに(降りそうも)ない。\\ 例)きょうは雨が降りそうに(降りそうも)ない。\\
行 126: 行 148:
 ➣他人の感情について述べるときは、一般的に「Aそうだ」を使う。それは、他人の感情(内面)を確実に知り得ないためである。\\ ➣他人の感情について述べるときは、一般的に「Aそうだ」を使う。それは、他人の感情(内面)を確実に知り得ないためである。\\
 例)    田中さんは**うれしそうだ**。\\ 例)    田中さんは**うれしそうだ**。\\
-例)#田中さんはうれしい。\\+例)#田中さんはうれしい。×\\
 \\ \\
 ➣「そうだ」と使いにくい形容詞\\ ➣「そうだ」と使いにくい形容詞\\
行 133: 行 155:
 \\ \\
 ➣「Vそうだ」は、話し手の意志的行為には使えない。\\ ➣「Vそうだ」は、話し手の意志的行為には使えない。\\
-例)#私はこの料理は食べそうだ。【意志的行為】\\+例)#私はこの料理は食べそうだ。×【意志的行為】\\
 例)   私はこの料理は食べられそうだ。【無意志的行為】\\ 例)   私はこの料理は食べられそうだ。【無意志的行為】\\
 ====== 確認問題 ======  ====== 確認問題 ====== 
 1 【テストを見ながら】このテストは{a.むずかしそうだ b.むずかしいそうだ}。 \\ 1 【テストを見ながら】このテストは{a.むずかしそうだ b.むずかしいそうだ}。 \\
-2 A:田中さん聞いたんだけど、山田さんは、来月、留学に{a.行きそうだ b.行くそうだ}。 B:ええ、そうなんだ。\\+2 A:田中さん聞いたんだけど、山田さんは、来月、留学に{a.行きそうだ b.行くそうだ}。 B:ええ、そうなんだ。\\
 3 あの二人、{a.楽しそうな b.楽しそうに}話している。 3 あの二人、{a.楽しそうな b.楽しそうに}話している。
 ====== 確認問題の説明 ====== ====== 確認問題の説明 ======
 1 cf.機能1\\ 1 cf.機能1\\
 2 cf.機能1\\ 2 cf.機能1\\
-3 cf.コラム+3 cf.後続
34そうだ_様態_①.1708071500.txt.gz · 最終更新: 2024/02/16 17:18 by kaken

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