29v_さ_せる
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29v_さ_せる [2024/01/27 13:43] – 作成 - 外部編集 127.0.0.1 | 29v_さ_せる [2025/05/01 17:53] (現在) – [コラム] kaken | ||
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行 1: | 行 1: | ||
+ | ====== 29[V(さ)せる] (使役)====== | ||
+ | ===== 基本情報 ===== | ||
+ | 旧JLPT該当級:3\\ | ||
+ | 品詞: 助動詞[[用語の説明|【用語の説明】]]\\ | ||
+ | 前接: V(動詞)否定形[[⑥動詞活用|⑥[動詞活用] ]]\\ | ||
+ | 意味:1 強制\\ | ||
+ | 2 許可 | ||
+ | ===== 使い分けが必要な文法・文型 ===== | ||
+ | ・V(ら)れる[[118V(ら)れる|118[V(ら)れる]]](受け身)\\ | ||
+ | ・V(さ)せられる[[28v_さ_せられる|28[V(さ)せられる]]](使役の受け身) | ||
+ | ===== 文型を使う上で理解が必要な情報 ===== | ||
+ | ・**動詞のグループ****(辞書形)**\\ | ||
+ | 動詞グループ1\\ | ||
+ | ・か**< | ||
+ | ・よ**< | ||
+ | ・か**< | ||
+ | ・はな**< | ||
+ | 動詞グループ2\\ | ||
+ | ・たべ**< | ||
+ | ・み**< | ||
+ | 動詞グループ3\\ | ||
+ | ・する\\ | ||
+ | ・くる\\ | ||
+ | **動詞:(さ)せる形**[[⑥動詞活用|⑥[動詞活用] ]] | ||
+ | ^** 形 **^ | ||
+ | ^**辞書形**|とる|よむ|かく|はなす|たべる|みる|する|くる| | ||
+ | ^**(さ)せる形**|とら**せる**|よま**せる**|かか**せる**|はな**させる**|たべ**させる**|み**させる**|**させる**|**こさせる**| | ||
+ | |||
+ | ・**有情物/無情物**\\ | ||
+ | 有情物=人、動物\\ | ||
+ | 無情物=もの、こと\\ | ||
+ | \\ | ||
+ | ・**動詞のタイプ**:自動詞/他動詞[[⑧動詞のタイプ|⑧[動詞のタイプ]]] | ||
+ | ===== 機能 ===== | ||
+ | ==== 機能1★: 使役 ==== | ||
+ | **〈他動詞〉N1は(/が)N2にN3をV(さ)せる **\\ | ||
+ | ==== 用法1:強制 【N1は(/が)N2に(/N2を)Vの行為をするように強制する】 ==== | ||
+ | ①**〈他動詞〉N1は(/が)N2にN3をV(さ)せる**\\ | ||
+ | ②**〈自動詞〉N1は(/が)N2を/N2にV(さ)せる** | ||
+ | === 機能1用法1用例: === | ||
+ | 例1.母親は子ども**< | ||
+ | 例2.母親は子ども**< | ||
+ | 例3.先生は子どもたち**< | ||
+ | 例4.母親は子ども**< | ||
+ | ==== 用法2:許可 【N1は(/が)N2に(/N2を)Vの行為をすることを許可する】 ==== | ||
+ | ①**〈他動詞〉N1は(/が)N2にN3をV(さ)せる**\\ | ||
+ | ②**〈自動詞〉N1は(/が)N2に/N2をV(さ)せる** | ||
+ | === 機能1用法2用例: === | ||
+ | 例5.父親は子ども**< | ||
+ | 例6.親が子ども**< | ||
+ | 例7.部屋を開けて、待っていた人**< | ||
+ | ==== 用法3:誘発(感情の原因) ==== | ||
+ | **〈自動詞〉N1はN2をV(感情動詞)(さ)せる**\\ | ||
+ | === 機能1用法3用例: === | ||
+ | 例8.花をあげて、母**< | ||
+ | 例9.田中さんはいつも友だち**< | ||
+ | 例10.おもちゃを壊して、子ども**< | ||
+ | === 機能1と使い分けが必要な文法・文型: === | ||
+ | ・V(ら)れる(受け身)\\ | ||
+ | ・V(さ)せられる(使役の受け身) | ||
+ | === 機能1と使い分けが必要な文法・文型の違い: === | ||
+ | **V(ら)れる(受け身):N2がする、N1が迷惑/恩恵を受ける**\\ | ||
+ | 例)私(N1)は母(N2)にメールを読まれた。→母がメールを読んだ。私は母がメールを読んだことで迷惑を受けた。\\ | ||
+ | 例)よう子ちゃん(N1)は、小さいころ、みんな(N2)にかわいがられていた。→みんながよう子ちゃんをかわいがる。よう子ちゃんはみんながかわいがることの恩恵を受けた。\\ | ||
+ | **V(さ)せられ る(使役の受け身):N1がする、N2が働きかける**\\ | ||
+ | 例)私(N1)は母(N2)に本を読ませられる/読まされる。→私が読む。母が働きかける。\\ | ||
+ | **V(さ)せる(使役):N1が働きかける、N2がする**\\ | ||
+ | 例)お母さん(N1)が子ども(N2)に本を読ませる。→お母さんが働きかける。子どもが読む。 | ||
+ | ===== コラム ===== | ||
+ | ➣N1、N2=有情物\\ | ||
+ | \\ | ||
+ | ➣自動詞は、「**せる**」がつくと、他動詞になる。\\ | ||
+ | 自動詞+せる→他動詞\\ | ||
+ | \\ | ||
+ | ➣助詞の使い方\\ | ||
+ | 〈他動詞〉【N1は/がN2**に**N3**を**]\\ | ||
+ | 〈自動詞〉【N1は/がN2**を**/**に**]\\ | ||
+ | ※「**強制**」のとき、「**N2を**」が一般的であるが、「N2に」の場合もある。\\ | ||
+ | ※「**許可**」のとき、「**N2に**」が一般的であるが、「N2を」の場合もある。\\ | ||
+ | ※「**誘発**」のとき、いつも「**N2を**」を使う。\\ | ||
+ | \\ | ||
+ | ➣「**~さんが私にV(さ)せる**」は適切ではない。代わりに、「**私は~さんにVさせられる**」という形を使う。\\ | ||
+ | \\ | ||
+ | ➣「(さ)せる」を使った表現\\ | ||
+ | ・V(さ)せてもらう/いただく/くれる/くださる\\ | ||
+ | 例)先生、あした休ませていただけますか。\\ | ||
+ | 例)留学に行かせてください。\\ | ||
+ | \\ | ||
+ | ➣「**短縮形**」\\ | ||
+ | 話ことばでは、「**せる**」の代わりに短縮形の「**す**」(「書か**せる**」>「書か**す**」、「食べ**さ****せる**」>「食べ**さ****す**」など)を使うことがあるが、標準語ではない。\\ | ||
+ | \\ | ||
+ | ➣使役的他動詞\\ | ||
+ | ※寝かす/寝かせる\\ | ||
+ | 「寝るー寝かす/寝かせるー寝させる」には次のような違いがある。\\ | ||
+ | 例)子どもが寝る【自動詞】。→子どもは部屋へ行って寝る。\\ | ||
+ | 例)子どもを寝かす/寝かせる【他動詞】。→母親が歌を歌って、子どもを寝かす/寝かせる。\\ | ||
+ | 例)子どもを寝させる【使役】。→なかなか寝ない子どもを母親が寝させる。\\ | ||
+ | |||
+ | ====== 確認問題 ====== | ||
+ | 1 母親はいやがっている子供{a.に b.を}おふろに入らせた。 \\ | ||
+ | 2 暑かったから、子どもにエアコンを{a.つけさせた b.つけられた}。\\ | ||
+ | 3 プレゼントを渡して、友だち{a.に b.を}びっくりさせた。 | ||
+ | ====== 確認問題の説明 ====== | ||
+ | 1 cf.機能1用法1、コラム\\ | ||
+ | 2 cf.機能1\\ | ||
+ | 3 cf.機能1用法3、コラム | ||